埼玉県川越市立中学校集団暴行いじめ、市が立て替えた和解金の一部を加害者側に請求

 埼玉県川越市立中学校2年だった男子生徒が2012年に同級生3人から集団暴行を受けて意識不明になり、川越市と加害者が約1億9700万円の損害賠償を支払うことが確定したことに関連して、一時的に全額を立て替えて被害者側に支払っていた川越市は3月7日、加害者側が約2700万円を市に支払うことで和解が成立したと発表した。

 市議会に関連議案を提出し、承認されたのちに正式に和解が成立する見通し。

事件の経過

 暴行事件は2012年1月に起きた。被害生徒は野球部の同級生3人から市内の公園で集団暴行を受けて意識不明になった。

 被害生徒側は「加害生徒側からのいじめがあったにもかかわらず、学校側が適切な措置を講じなかった」として提訴した。しかし川越市は「冬休み中に通学路から外れた場所で発生した事件で、学校の責任はない」などとして争った。

 一審のさいたま地裁川越支部では、集団暴行事件以前からの継続したいじめがあったと認め、約1億4000万円の損害賠償を命じた。

 しかし市と加害者側は判決を不服として控訴し、原告側も「介護費用などが認められなかったのは不服」として控訴した。二審東京高裁では、市と同級生が連帯して約1億9700万円の支払いをおこなうことで和解が成立した。

 川越市は被害者側との和解成立後、被害者の早期救済として、一度全額を市から肩代わりして被害者側に支払い、相当額を加害者側に請求することにしていた。

 法的には一区切りではある。しかし被害者側の受けた被害は、取り返しが付かないものとなっている。被害生徒へのいじめについては、学校側は「トラブル」として扱うだけでいじめと認識せずに対応したことで、集団暴行事件へと至っている状況になっている。いじめについては早期の適切な対応が必要となることを示す案件ともなっていて、事件の経過を詳細に分析した上で、再発防止策を検証していく必要もある。