医学部入試問題:医学生へのアンケート

 医学部での不正入試問題発覚を受け、全日本医学生自治会連合(医学連)はこのほど、全国の医学生を対象にしたアンケートの中間集計をまとめた。

 不正入試問題についての受け止めや、入試や大学で性差別を受けた経験があるかどうかを調査するものとなっている。2019年3月末まで調査を実施し、最終結果をまとめるとしている。

 朝日新聞2019年3月5日付『面接で妊娠の質問・手術見学できず…女子医学生への差別』が、アンケート内容の一部を紹介している。

 それによると、女子学生を中心に「出産、育児で退職するつもりか」「妊娠はあなたにとってメリットかデメリットか」など、受験時の面接で結婚やライフイベントなどに関する質問を受けた学生が約14%いたとされる。

 また入学後も、性差別と受け取れる発言を受けたことがあると訴えている学生もいる。

入学後も「医局説明会で『女医は結婚すれば働かなくていいから楽だよね』と何度も言われた」(6年)、「『女子は外科に興味が無いだろ』と言われ、手術見学の機会を与えられなかったことがあった」(5年)など、言葉の暴力を受けたり、性別を理由に学ぶ機会を奪われたりしたという声もあったという。

朝日新聞 2019年3月5日 『面接で妊娠の質問・手術見学できず…女子医学生への差別』

 入学試験や在学時の性差別と受け取れるような行為の背景には、卒業後の医師としての過重労働、家庭を犠牲にすることを前提で成り立つようなライフサイクルなどがあり、その背景には旧来的な性別役割分担的な発想も加わっていることが指摘されている。

 性別を理由として、能力があるにもかかわらず、学ぶ機会や将来の進路を閉ざされることはあってはならない。一連の不正入試問題には性差別があることが疑いの余地がなく、改善の必要がある。

 またこれは出発の段階では女子学生・女子受験生が不利になるということでもあるが、同時に男子学生にとっても単純に「優遇されている」と短絡的に扱えるようなものではなく、過重労働とその背景にある性別役割分担の問題は男性にも共通の問題ともなってくる。

 入学試験段階での扱い、また医学部での学びと卒業後の働き方の問題、それらを別個のものとして扱うのではなく、互いに関連したものとして総合的・立体的に解決していくことが重要になってくる。