剣道部コーチが「体罰」・暴力行為:群馬の私立高校

 群馬県太田市の私立常磐高校で、剣道部の特別コーチ(26)が指導中に部員の生徒に暴言を繰り返していたことがわかった。部員の1人がコーチの指導を苦にして自殺をほのめかすような言動をおこない、周囲から止められたこともあったという。

事件の経過

 コーチは非常勤講師として採用されていた。報道によると、剣道部の複数の部員に対して、「死ね」「バカ」「きもい」「マザコン」「消えろ」などと日常的に暴言を吐いていた。また稽古の際に、防具に覆われていない部分を故意に竹刀でたたくなどの行為もおこなっていた。

 2019年2月7日、練習後に主将の2年生男子部員が、階段の踊り場で手すりにつかまって下をのぞき込みながら「死にたい」などと漏らしていたのを、別の1年生部員が見つけて引き留めて保護する騒ぎが発生した。直前にはコーチが主将に対して、通常の倍以上の時間をかけて、1対1での稽古をおこなっていたという。

 学校側の調査で、主に2年生部員7人全員が被害を受け、主将の生徒が主な標的になっていたことがわかったという。2018年9月頃から激化した。

 コーチは主将への暴言について「強くするためだった」などとした。

 学校側は懲戒処分を検討したものの、その矢先にコーチから退職願が出され、学校側は即日受理した。学校側は退職届受理の理由について、「退職で自ら制裁を科した」「これまでの実績を評価した」「穏便な措置を求める一部の保護者の声にも配慮した」などと発言した

 学校側は2019年2月14日に記者会見を開き、一連の事実関係を公表した。

対応は疑問

 コーチの行為は絶対に許されることではない。暴力行為であり、いじめ行為である。「指導死」案件一歩手前になっている重大な行為でもある。

 学校側の対応も疑問に感じる。何の処分もなく、退職願を出されたから依願退職を認めるでは、何の制裁にもなっていない。また「実績」についても、これまでの実績を無にするような重大な行為である。穏便な措置などありえない。

 部活動やスポーツ指導の場でこういう暴力・虐待を伴う「指導」をおこなう人物が、問題が発覚すると一度退職して別の場所で採用されても、新たな赴任先で同じような暴力事件を起こした事例なんて、多数ある。このコーチについても、何事もなかったかのように新しい学校などに潜り込む危険性もある。

(参考)
◎太田・常磐高剣道部コーチが体罰・暴言 男子部員指導中に(産経新聞 2019/2/15)
◎剣道部主将が漏らした「死にたい」 処分前にコーチ退職(朝日新聞 2019/2/15)