川口市いじめ:市教委が生徒側を中傷していると受け取れる文書作成

 埼玉県川口市立戸塚中学校に在学中にいじめを受けたとして元生徒が訴えている問題で、川口市教委から文部科学省に提出された書類の内容が生徒側に開示されていたことがわかった。

 市教委の調査報告書など396ページ分が開示された。生徒側の情報公開請求に対して、文科省が2019年1月25日付で開示決定し、生徒側は2月5日に受け取った。

 この文書では、以下のような記述があったことが判明した。

「当該母親は、精神的に不安定な要素が多分にあり、学校及び市教委のこれまでの対応に全て不満を抱いている」

「夏休みに、母親とサッカー部保護者との間でトラブルがあり、それがきっかけに、母親が1年生の頃のいじめを学校に申し出た」

 生徒側は埼玉県教委にも関連文書の開示請求をおこなっていて、市教委から県教委に提出された文書の中にも同様の記述があったとしている。

 生徒側は「これらの記述は事実ではない。保護者間でのトラブルはなかった」「中傷だ」「自らが適切な対応をしなかったことの責任を私たち被害者に転嫁している」「虚偽の報告もあり、意図的で悪質」と反発している。

 このいじめ事件では、生徒が所属していたサッカー部での同級生からのいじめに加えて、サッカー部顧問教諭の不適切な言動も指摘されるなど、対応に問題があった疑いが指摘されている。

 いじめ事件、教師による「体罰」事件や性的虐待事件など、学校をめぐる問題・特に生徒が被害者になる事件では、加害者に近い立場から加害者や学校側を擁護し、被害者を貶めるような事実無根の噂が流されることも珍しくない。

 特に、被害者とその保護者・支援者を「異常者」「ややこしい人」「モンスターペアレント」かのように扱って人格攻撃するような中傷は、この手の事件ではよくみられる。

 今回の件でも、ありもしない「被害者側の非」をでっちあげて貶めてまで、事実関係をゆがめようとしたとみられるものである。

 生徒側は川口市教委に対して訂正請求もおこなったが、市教委が訂正に応じなかったという。できるだけ早期に訂正されることが求められる。

(参考)
◎<川口いじめ>母は精神的に不安定…市教委文書に元生徒の母を中傷する記述 母が批判「悪質、責任転嫁だ」(埼玉新聞 2019/2/7)