「体育祭の綱引きで転倒して綱が目にあたり、その1ヶ月後に右目を失明したのは、学校側の対応が不十分だったから」として、埼玉県春日部市立中学校に在学していた元生徒の男性(現在高校3年、2019年4月より大学進学予定)が市を相手取り約4980万円の損害賠償を求めてさいたま地裁に提訴した。
2月6日に第1回口頭弁論があり、市側は棄却を求めた。
事故の経過
報道によると、事故の経緯はおおよそ以下の通りのようである。
事故は2015年5月30日に発生した。中学校3年だった生徒は体育祭の綱引きに参加した。その際に、この生徒を含む数人がバランスを崩して転倒した。生徒は転倒の際、綱で右ほほから右目を打ち付けた。
事故から約1ヶ月後の2015年6月28日、右目の視界が突然白くなってそのまま失明したとしている。
生徒側は「失明は綱引きが原因。学校側が事故直後に病院を受診させなかった過失がある」「転倒事故防止策も十分ではなかった」と主張している。
一方で市は「事故と失明との因果関係は認められない」「事故直後の手当や転倒事故防止策をおこなってきた」と主張している。
事故と失明との因果関係、また事故直後の学校側の対応などについては、現時点では報道の範囲以上にはわからない。とはいえども、事実経過を詳細に解明した上で、事故防止策について理解が深まるような方向でことが進むことが望まれる。
(参考)
◎「綱引きの綱で右目失明」元生徒側が提訴 学校側は反論(朝日新聞 2019/2/6)