千葉県野田市小4虐待死:児相が記者会見

 千葉県野田市の小学校4年女子児童虐待死事件に関連して、千葉県柏児童相談所は2月5日に記者会見を開いた。児相は、児童の一時保護が解除され親族宅での生活で様子を見ていた最中の2018年2月、父親が「お父さんからたたかれたのは嘘」とする児童からの手紙を児相側に見せたことを明らかにした。

 児相は、その手紙は「無理やり書かされた可能性が高い」と認識しながらも、手紙を見せられた2日後に児童を自宅に戻すことを認める決定をしていた。

事件の経緯

 児童は2017年11月、学校がおこなったいじめアンケートに父親からの虐待を打ち明けた。担任教諭からの聴き取りを経て、学校側が児相に通報して一時保護された。2017年12月末に、父方の親族宅で生活して様子を見る条件で一時保護が解除された。

 柏児相は2018年2月26日、児童を自宅に戻すかどうか判断するために父親と面会した。父親は、「お父さんに叩かれたというのは嘘です。小学校の先生に聞かれて思わず言ってしまいました」「児童相談所の人にはもう会いたくないので来ないでください」などと記された、児童の署名が入った手紙を見せたという。

 また父親はその際「娘を連れて帰る。家庭をこれ以上引っかき回すな。児相職員個人を名誉毀損で訴える」などと恫喝した。

 児相担当者はその場では「内部の会議で検討する」と返答した。手紙の内容については「無理やり書かされた可能性が高い」と疑って検討会議で報告しながらも、その時点では児童に確認せず、児童を自宅に戻す決定をした。

 しかし自宅に戻した後の2018年3月19日、児童相談所からの聴き取りに対して児童は「無理やり書かされた」と打ち明けたとしている。父親が不在時に母親に会った際、父親が母親にメールで指示し、その文面を書き写すよう強要されたと話した。

 一方で児童が「一緒に暮らしたいのは本当」と答えたなどとして、再保護の検討は見送った。

対応の誤りではないか

 一連の経過は重大な誤りではないかと考えられる。

 児童の手紙を見た職員が「無理やり書かされた」と疑い、しかもその直感が当たっていたことも判明したにもかかわらず、そのまま放置して悲劇につながったということにもなる。また、このような嘘の手紙を書かせたこと自体も、虐待に相当する行為だといえる。

 嘘をつき一方的にまくし立てて恫喝する手口。法的根拠がないにもかかわらず、法律の文面の都合の良さそうな部分だけを使って「法的手段」をちらつかせて不正に脅す手口。虐待加害者の父親は教育委員会へもそのような脅しをかけていたが、児童相談所にもそのような脅しをおこなっていたことにもなる。

 児童相談所については、この時点で児童を再保護していれば、最悪の状況は避けられたのではないかという気がしてならない。一連の経過について、詳細な再検証が求められる。