「ブラック校則」:Yahooニュースが特集記事

 Yahooニュースが2019年1月28日付で『「ブラック校則」どうすれば――学校現場に変化の兆しも』を配信した。

 冒頭から衝撃的な内容で始まっている。

生徒の相互監視体制を組織:東京の中学校

 記事では、東京都内のある公立中学校で起きていることについて、当該校の生徒と母親の証言を掲載している。

 その学校では、校則やルールに違反したとされる生徒は別室に呼び出され、一人ずつ教師と生活委員の生徒の前で謝罪させられるという。ささいなルールが多数設定されてチェックも厳しいことが指摘されている。

 しかも教師が生徒を「手先」のように組織し、生活委員の生徒を筆頭にして、他の生徒の校則違反を相互監視させている。生活委員の生徒が他の生徒の机やカバンをチェックし、教科書などを自宅に持って帰らずに自席の机やロッカーなどに保管する「置き勉」禁止として、「置き勉」をした他の生徒の教科書を取り上げるなどもまかり通っている。教科書を返してほしいと求めても、「置き勉した方が悪い」などと同級生から責められたという。

 理不尽なルールについて学校側に訴えても、学校は「変える気はない」の一点張り。教育委員会や文部科学省に訴えても「学校のルールは学校に一任している」と返されたとのこと。

 1970年代や80年代の「管理教育」の話なのかと思えば、2019年の話。「ブラック校則」といわれるものが社会問題化しているが、ここまで恐ろしいことになっているとは衝撃である。

 このようなものは、子どもの教育にとっても、社会性の育成にとっても、有害極まりない。学校組織と教師を軸とした生徒支配体制ともいえるような、相互監視で分断を生み不信を生むシステムとなっている。

校則を変える取り組み:広島市の中学校

 一方で記事では、生徒の意見を反映させながら学校のルールを変えていった、広島市の中学校での取り組みも紹介されている。当該校では「置き勉禁止」というルールがあったが、そのルールに対して生徒や保護者の間で見直し議論が起きた。

 同校のPC放送部の生徒は「カバンの重さは18kgにもなる」などとする動画を作成・発表し、「置き勉禁止」のルールへの疑問を訴えた。その動画が市の文化祭のコンクールで優勝するなどして学校外にも反響が広まり、新聞やテレビでも取り上げられたことも力になり、見直しが実現したという。

「ブラック校則」根絶を

 なぜその決まりがあるのかという合理的な理由を示せず、決まりを守らせることそのものが目的となり、違反者を摘発して吊し上げる。人権侵害のようなことがあっても意に介さない。しかも生徒に相互監視させる。――記事で出てきた東京都の公立中学校のようなことは、決してあってはならないことである。

 そういう管理的な取り組みから脱することが必要である。広島市の中学校での取り組みは、一つの答えであるといえるのではないか。

 また「学校のルールは学校の権限。学校に一任」というのは、教育行政の原則論としては基本ではある。その一方で、その原則が悪用されるような形で、人権侵害を「学校の権限」などと強弁することがまかり通るのもおかしい。学校の自主性の原則も十分に尊重しながら、人権問題への配慮も両立させるような形で、社会的に踏み込んだ対応も必要になってくる。