鹿児島県奄美市中1自殺:「教職員の指導」原因として自殺理由を文科省に修正報告へ

 鹿児島県奄美市立中学校1年の男子生徒が2015年11月に自殺した事件で、自殺理由を「不明」として文科省に報告していた奄美市教育委員会が、「教職員の指導」が原因だったと認めて文科省に修正報告をおこなう方針を決めたことがわかった。

 『毎日新聞』2019年1月16日『奄美の中1自殺原因、一転「教職員からの指導」』が報じている。

事件の経過

 当該案件では2018年12月、「自殺の原因は教職員の指導にある」とする第三者委員会の報告書が出されていた。

鹿児島県奄美市立中学校生徒自殺、担任の不適切指導による「指導死」と認定
 鹿児島県奄美市立中学校1年だった男子生徒が2015年11月5日に自殺した事案をめぐり、市の第三者委員会は12月9日、「担任教諭の不適切な指導が自殺の一因」と指摘する報告書をまとめた。 事案の経過  報道によると、担任教諭がこの...

 生徒は「同級生へのいじめ・嫌がらせに関与した」と決めつけられ、担任教諭から学校で叱責されたり家庭訪問を受けるなどした直後に自殺した。

 実際にはいじめはなく、「いじめ・嫌がらせ」とされた行為は同級生との行き違いによる誤解で、当該同級生とはすでに和解していたという。

 一方で担任教諭は、いじめを前提にして強い叱責をおこなったとされている。また第三者委員会報告書によると、当該校では当時、生徒指導の際に「ゼロ・トレランス」的な指導を取り入れていることも指摘された。

 一方で学校側は「原因は特定できなかった」と報告をおこなっていた。奄美市教育委員会は、事件直後に実施された市教委主催の臨時校長研修会で「いじめた側の子が責任を感じて自殺した」と説明したり、文科省の生徒指導に関する調査に「原因は不明」と報告をおこなうなどしていた。

修正は経過の検証と同時におこなうべき

 修正そのものは当然ではないかといえる。

 一方で、毎日新聞の記事によると、遺族側は以下のように話しているという。

 生徒の父は「学校や市教委は、自殺直前に担任が指導していたと当初から知りながら『不明』と報告し、事実関係をあいまいにして責任逃れをしようとしていたのではないか。学校や市教委は自ら検証すべきだ」と語った。

毎日新聞2019年1月16日 『奄美の中1自殺原因、一転「教職員からの指導」』

 修正するから一段落というわけではなく、修正するにしても、遺族側が指摘した点についてきちんと解明することも同時におこなっていくべきではないか。