いじめ隠蔽:神戸市教委首席指導主事らに懲戒処分

 神戸市教育委員会は1月11日、市立中学校で発生したいじめ自殺事件に関連して「同級生らへの聴き取りメモを隠蔽するよう校長に指示した」として、市教委首席指導主事を停職3ヶ月の懲戒処分にするなど、関係の幹部職員計6人への処分を発表した。。

事件の概要

 2016年10月、神戸市垂水区の市立中学校に通っていた3年の女子生徒が自殺した。学校側は事件直後、同級生から聴き取りをおこない、メモを残していた。

 しかし首席指導主事が当該校の校長(当時)に対して、いじめについて記したメモを隠蔽するよう指示をおこない、校長も指示通りにした。

 第三者委員会の調査では2017年8月、メモについて「破棄された」と記した。しかし同校の教師が調査報告書の内容を知り「メモは残っている。事件後に異動した当時の担当教員から引き継ぎを受けて保管している」と、事件後に着任した後任校長に申告した。それを受けて校長から市教委担当者に連絡した。しかし神戸市教育委員会は調査せずに放置していた。2018年3月に後任校長が再び申告し、市教委担当者がメモの現物を確認した上で、2018年4月になってメモの存在を報道発表した。

 メモに関する調査の中で、首席指導主事が隠蔽を指示していたことが発覚し、2018年6月にその旨が公表された。

悪質な隠蔽

 一連の経過は、とんでもないことである。いじめへの対応は、いじめ被害を受けた側に立っておこなわなければならない。

 隠蔽の経過は、当時の発表によると、以下の流れになっているという。

 同級生からの聴き取りがあったことを知った遺族から、学校に対して「聴き取りの内容を知りたい」とする連絡があった。そのことに「メモの存在が明らかになることで、遺族からの反発を受ける」と懸念した校長が、2017年3月に市教委に相談した。首席指導主事は「すでに情報開示作業は終わっているので、いまさら出せない」「遺族から情報開示請求を受けた場合、マスキング処理作業の手間などがかかる」などとして、隠蔽に至った。

 それらの経過には、被害者側への対応など全くない。首席指導主事や当時の校長らの態度は、遺族側を「面倒な難癖を付けてきたクレーマー・仮想敵」に仕立て上げたうえで自己保身に走っていると受け取らざるをえない。事実上いじめに加勢しているようなもので、とんでもないことである。