広島県府中町中学生自殺事件、原因は「学校側の不適切行為」、遺族が提訴

 広島県府中町立府中緑ヶ丘中学校で2015年、当時3年の男子生徒が学校側の誤った記録に基づき「万引きをした。高校の推薦入試は受けられない」とするような対応を受けて自殺した問題で、生徒の遺族が2018年12月5日付で、府中町を相手取り約6700万円の損害賠償を求める民事訴訟を提訴した。

事件の経過

 この事件では、当該生徒は万引きに関与した事実はない。

 生徒が1年だった2013年、同学年の別の生徒が万引きをした際、対応した教員が学校の記録に誤ってこの生徒の名前を記載した。万引きに対応した際、関係教職員の会議で配られた紙の資料では、誤りに気づいて紙の上では訂正していた。しかし元のサーバーに残っていたデータを修正しなかった。

 生徒が3年に進級した際、3年時の担任教諭がサーバーの記録をもとに「万引きをした」などと追い詰める対応を取った。生徒が「身に覚えがない」と訴えても教諭は聞く耳を持たず、学年主任・1年時の担任・生徒指導担当者など他の教員に確認することもなかったとされる。

 担任教諭が「志望校への推薦はできない」などと告げた直後の2015年12月、生徒は自殺した。

 これらの経過を考えると、当時の学校側の対応について、重大な瑕疵があったと考えられる。生徒の名前を取り違えたこと、修正を十分におこなわなかったこと、そして誤った記録に基づいて無実の生徒を追い詰めるような対応を取ったこと、悪質というほかない。

 訴訟の形にはなるが、事実関係を寄り詳細に明らかにした上で、必要な対応が取られることを望む。