埼玉県川口市いじめ事件:ネットの中傷書き込みに発信元情報開示命じる

 埼玉県川口市立戸塚中学校に通っていた男子生徒が在学中にいじめを受けて自殺を図った問題に関連して、「ネット上でこの生徒への中傷書き込みがあった。実名も晒された」として被害生徒らがプロバイダに発信元情報開示を求めた訴訟で、東京地裁が12月10日、原告側の訴えを認め、発信元の情報開示を命じる判決を出していたことがわかった。

事件の経過

 この事件では、所属していたサッカー部で、暴行を受ける、SNSで悪口を書き込まれるなどのいじめがあったことが指摘されている。またサッカー部の顧問も不適切対応をおこなったことも指摘されている。

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 いじめに関連して、インターネット掲示板で「被害者面」「虚言癖」などと生徒への中傷書き込みが繰り返されたと指摘されている。さらには、生徒の実名も掲示板に書き込まれるなどしたという。

 そのため、発信元の情報開示を求める訴訟を起こしていた。

 東京地裁では「プライバシーを明白に侵害する」として開示を認めた。いじめ事件をめぐって、ネットでの中傷書き込みの発信元開示が認められるのは初めてではないかとみられている。

いじめ書き込みに画期的判決

 一般的にいえば、発信者情報請求については、言論の自由との兼ね合いや、「気に入らない言論をおこなう者への嫌がらせでの圧力」として悪用する者もいることもあり、個別の事例ごとにていねいに判断して慎重な運用がされなければならない。

 しかし今回のケースについては、問題となった書き込みの内容については、正当なものと認められる余地など全くない。明らかに不当な中傷であり、いじめ被害といえる。発信元開示がおこなわれたのは画期的と評価されるべきではないか。

(参考)
◎いじめ 匿名でネットに書き込み、投稿者の情報開示命令(TBSニュース 2018/12/10)