大阪市、市全体で70人の教員が不足

 大阪市立小中学校で教職員の数が不足し、2018年度には本来配置されるべき教員が市全体で70人足りない状態で教育活動が進められていることが明らかになった。

 12月6日の大阪市会教育こども委員会での質疑で明らかにされた。

教職員不足の実態

 大阪市教育委員会の担当者は、12月1日時点で、大阪市立の小学校で64人・中学校で6人、小中合計で計70人、必要な数の教員が配置されていないことを認めた。

 市教委では「若い教員が増えたことで、産休や育休を取る教員が増加したが、代替の講師が確保できなかった」としている。

 また病気休職からの復職を見込んでいたもののさらに休職を継続することになった教員も増えたことで、講師不足に拍車をかけている形にもなっている。

 必要な数の教員が配置されないことで、残った教員も過重負担になる悪循環も起きている。

国の施策に加えて、大阪市の「維新政治」が混乱に拍車

 正規の教員が戻ってくると講師の契約が打ち切られることで、雇用が不安定なことも講師が集まらない背景にあるのではないかともされている。

 不安定な状況ではなり手が足りなくなるのは必然的である。

 教員免許更新制などの国の施策、教職員の多忙化、教職員の採用抑制、必要な数の教員を採用せず一部を講師に置き換える定数内講師の問題なども背景にある。

 教員の働き方の条件悪化は全国的に指摘されていることだが、さらに大阪市では2011年以降、橋下徹・吉村洋文と2代続いた維新の市長による維新政治によって、教育現場は異常なほどに締め付けられている。

 テストの点数・平均点だけを学力のすべて扱いしての学力テストなどによる学校間・地域間競争。学校選択制の導入によって、学力テストの成績なども加味して「選ばれる学校」への競争をかき立てられること。

 大阪市の教育予算は、ICTや塾代助成などの「維新の重点施策」だけが肥大化しているだけ。維新が「維新市政になってから、大阪市の教育費を8倍にした」と宣伝しているようだが、それは維新の重点施策事業だけを恣意的に抜き出して計算したデマ宣伝で、実際の教育予算全体はほぼ横ばい。日常の教育予算は「維新の重点施策」に振り替えられる形で事実上削減。

 いわゆる「ゼロ・トレランス」的な発想を軸とした「学校安心ルール」による児童・生徒への締め付け。教職員へも、勤務状況を点数化して給与に差を付けるような「主務教諭」制度の導入や、学力テストの成績で勤務評定を図ろうとするなどの、教職員間の疑心暗鬼を生じさせて分断を図るような対応。

 国の教育政策も抜本的に改善していく必要があるし、さらに大阪市では「維新政治」によって全国を上回る勢いでおかしな教育施策が導入されていることからも、維新政治によるゆがみについても改善していかなければならない。