組体操事故発生件数、兵庫県が3年連続で全国最多

 兵庫県内の小中学校で発生した組体操事故が、2015~2017年度の3年連続で全国最多だったことが判明した。

 神戸新聞2018年12月3日『組み体操事故 兵庫が3年連続全国最多 緩い規制も一因』が報じている。

事故状況の分析

 大阪経済大学の西山豊教授が、学校事故の際に被害児童・生徒側に給付される「災害共済給付」の給付状況のデータを分析する方法で、調査をおこなった。

 組体操については、2015年後半~2016年頃から事故が社会問題化し、それを受けて各地で対策がおこなわれている。その影響を受けて事故の発生件数は減少傾向にある。一方で、2015年度から2017年度を比較しての組体操事故の減少率は、全国で43%減の一方で、兵庫県では34%の減少にとどまっている。

 また児童生徒1万人あたりにの負傷人数も、兵庫県は12.8人となり、全国1位となった。

 この背景には、兵庫県では他県と比較して、危険な技に対する対策が緩いのではないかとも指摘されている。

 東京都では「タワー」と「ビラミッド」を原則禁止とした結果、2015年から2017年の2年間で、事故を半分以下に減らしている。

 一方で兵庫県では段数制限をおこなわず、安全確保の体制が整わないと判断した場合に技の変更や中止を要請するにとどまっている。

 兵庫県では大人数技での重傷事故は少なく、「補助倒立」「肩の上に人を乗せる『電柱』」「隊列で移動中にぶつかる」など比較的単純な技での事故の事例も目立っているとしている。

 また兵庫県では組体操が盛んにおこなわれているという地域性からも、事故発生件数が多いことも指摘されている。

事故の防止を

 組体操での事故については、死亡につながったとみられる事故や、重大な後遺症が残った事故なども発生し、あちこちで訴訟にもなっている。

  • 東京都世田谷区立小学校(2014年4月):組体操での倒立の練習中に失敗し、頭部を床に打ち付けて脳脊髄液減少症を発症。訴訟になったが世田谷区と和解が成立。
  • 大阪府八尾市立大正中学校(2015年9月):運動会の組体操での「10段ピラミッド」が撮影され、インターネット動画としてアップされる。その際にピラミッドが崩れ、生徒数名がケガをしている様子が映っていたことで、動画がネット上で話題になって拡散され、テレビニュースなどで取り上げられた。組体操事故が社会問題化するきっかけの一つとなる。
  • 広島大学附属三原中学校(2016年6月):生徒が運動会から2日後に脳内出血で死亡したのは、運動会の組体操事故で「移動ピラミッド」が崩れて頭部を強打したことが原因だとして、遺族が提訴し係争中。
  • 愛知県一宮市立浅井中学校(2017年2月):担任教諭との関係悪化を苦にしたことが直接的な原因とされる生徒自殺事件だが、関係悪化のきっかけになった出来事の一つとして、当該生徒が組体操事故で骨折した際の学校側の対応が指摘された。

 事故を未然に防ぐためにも、事故の発生状況を詳細に分析した上で、必要な対策を取ることが求められる。