募集要項に明記しないまま合格者の男女比固定:宮崎県の中等教育学校

 宮崎県立五ヶ瀬中等教育学校(宮崎県五ヶ瀬町)で入学者選抜の際、募集要項には明記しないまま、1学年(定員40人)の合格者数を男子22人・女子18人に固定していたことがわかった。

 選抜の際に、男子受験生より高得点を取りながら不合格になった女子受験生が、過去5年間に計49人いたことも判明した。

問題の経緯

 同校は1994年に、全国初の公立中高一貫校として開校した。学校教育法の改正で中等教育学校制度が導入されたことに伴い、1999年に中等教育学校に改編した。

 同校では全寮制のシステムを取ることもあり、男子寮・女子寮をそれぞれ建設した。開校前に宮崎県教委がおこなった事前調査では、志願者の男女比が7対3前後になると見込まれるという結果が出た。そのことを受けて、男子寮2・女子寮1として寮を建設した。

 しかし女子の志願者が想定以上に多く、男子寮として建設された寮の一部を女子向けに改修して、女子生徒の受け入れ可能人数を増やした。

 寮改修後の受け入れの定員が、1学年あたり男子22人・女子18人となったことから、寮の収容の関係として、約20年にわたって男女比を固定していた。

 一方で募集要領にはその旨を明記せず、保護者説明会で質問があった場合には口頭で回答していたという。

多数の問題が複合

 全寮制で寮の収容定員の問題もあり、すぐには改修できないという事情は、理解できないこともない。しかし数年ならともかく、20年にわたってこのような措置をおこなっていたことは、疑問を持たれても仕方がないのではないかとも考えられる。

 現行の教育基本法では明示的な事項は削除されたものの、公立学校では男女共学にも配慮すべきで、どちらかの性の生徒に偏りがあってはならないというのも、一つの考え方ではある。それならば受験要項に明示しておくべきである。

 入学者選抜において、最低合格ラインより上回る得点を取ったのに不合格になったというのは、それもまた問題になってくる。

 いろいろな問題が複合していて単純な論点には収まらないとはいえども、現行の方式が好ましいとも思えないのもまた事実だといえる。