「教育再生首長会議」への市費での会費等支出は違法と住民訴訟:沖縄県石垣市

 中山義隆・沖縄県石垣市長が「教育再生首長会議」に市の予算を支出したことは違法だとして、石垣市の元教員ら市民13人が11月22日、市長本人と歴代の市幹部が連帯して、公費122万円を返還するよう求める住民訴訟を那覇地裁に起こした。

住民訴訟の背景

 「教育再生首長会議」は、安倍晋三首相の「教育再生」方針に呼応し、歴史修正主義的ともいわれる育鵬社社会科教科書の採択を支持する首長らでつくっている任意団体である。

 教育再生首長会議の事務局は、育鵬社教科書の編集陣の母体となっている「日本教育再生機構」の事務局の中に設置され、運営事務は日本教育再生機構に委託されている。日本教育再生機構の運営費の大半は、教育再生首長会議からの事務局委託金でまかなわれていると指摘されている。

 教育再生首長会議では、参加している首長が会費等を納めて事務局経費に充てている。会費など必要経費を公費から支出している首長が、石垣市を含めて各地にいることが指摘され、問題になっていた。

教育再生首長会議、日本教育再生機構に事務局委託費支出:自治体公費から
 『沖縄タイムス』によると、教育再生首長会議が日本教育再生機構に事務局を委託し、2014年度~17年度に委託費用計1220万円を支払っていたことが、同紙の調査で判明したとしている。  同紙2018年7月15日付『育鵬社支援団体に自治体...

 訴訟の原告は、「私的な任意団体への公費支出の法的根拠はなく、教育の中立性を著しく侵害している」(沖縄タイムス2018年11月23日『教育再生首長会議に公費「違法」 教員経験者、石垣市長らを提訴』)と訴えているという。

 歴代の市幹部については、市長の公費支出を容認した担当者であるという経緯から、連帯して返還するよう求めている。

公金支出は疑問が持たれる

 裁判としては、訴訟が提訴された段階ではあり、今後どのような展開になっていくのかは現時点ではわからない。

 しかし少なくとも、特定の政治的目的を持つ任意団体に対して公費で会費等を支払うということは、極めて疑問が持たれる行為である。