東京医大不正入試問題:受験生約20人が成績開示・受験料返還など請求へ

 東京医科大学(東京都)の入学試験で女子受験生や浪人生に不利になるような得点操作がおこなわれていたことが発覚した問題で、受験生約20人が大学側に対し、成績開示や受験料の返還などを請求する準備をしていることがわかった。

 「医学部入試における女性差別対策弁護団」が10月24日に発表した。請求は10月29日付でおこなうとした。回答の内容次第では訴訟に移行することも視野に入れているとしている。

請求内容

 今回の請求者は、2006年度~2018年度に同大学を受験した女子受験生約20人だという。浪人生や他大学に進学した人、すでに医師になっている人、進路変更をおこなって医師以外の職業に就いた人などが加わっている。

 受験生への個別の成績開示、受験料の返還、不当な受験をさせられたことについての慰謝料・1年度あたり10万円、受験に際してかかった交通費や宿泊費の弁済を求めた。

 また成績開示の結果、本来なら合格ラインに達していたのに不合格にされていたことが判明した場合には、浪人生活に際してかかった予備校費用の弁済など、個別の追加請求も視野に入れている。

 弁護団では今回の20人のほかにも100件以上の相談を受け付けているとして、今後さらに請求者の数が増える可能性があるとしている。

不正入試の問題は根が深い

 東京医大の不正入試の問題は、かなり根が深いものになっている。

 女子受験生に不利な扱いをした女性差別という点も問題であるし、男性を含めた多浪生を年齢で差別する対応、さらには高校卒業程度認定試験を経ての受験者・海外の学校出身者・高等専修学校出身者など「通常の高校出身者」ではない受験生に対しても点数操作して不利益を与えていたことまで判明したことなど、多くの属性に対する差別が現れた形になっている。

 さらに、大学側がこのような差別を正当化した背景として、医師の過密労働のために女性医師が定着しないから男性を優先して採用するという、働き方の問題も指摘された。受験判定の不正さに加えて、女性が門戸を閉ざされるという意味でも間違いだし、さらには医師の過密労働を全く改善せずに正当化するという間違った発想、その発想の上に男性にそのような働き方を押しつけて当然というジェンダー・バイアスも載せていることになる。何重にも間違っていることになる。

 しかし、いくら大学側が正当化しようとも、受験の段階で何の非もないのにはじかれるような形になるのは、受験生にとってはたまったものでないし、社会通念としてもおかしい。不正入試の問題、また働き方の問題も含めて、おかしな実態は改善していかなければならない。