学校選択制保護者アンケートの結果まとまる:大阪市

 大阪市は10月2日、学校選択制にかかる保護者アンケートの結果を公表した。

「学校選択制実施区における保護者アンケート」(平成30年6月実施)の結果をお知らせします
調査の概要 1 調査目的 保護者の選択理由を把握し、事前の懸念事項や想定の検証を行い、制度運用の改善を図る。 2 調査対象 平成30年度入学者にかかる学校選択制実施区における市立小中学校の1年生の児童生徒の保護者全員対象区(小学校)   ..

 大阪市では市立小中学校について、行政区を単位とした学校選択制を実施している(一部地域を除く)。2018年度大阪市立小学校1年の児童・大阪市立中学校1年の生徒の保護者を対象に、学校所在地の区役所から学校経由で回答用紙を配付し、記入の上で区役所宛に返送する方式で実施した。

 回収率は小学校56.7%、中学校44.2%。

 大阪市では学校選択制の利用率については、小学校7.5%、中学校4.2%、小中あわせて6.2%となっている。

 アンケートに回答した保護者についても、9割以上が「校区の通学区域指定校を希望し、校区の学校に通学させている」としている。

 一方で、「通学させる学校を選んだ理由」(選択肢から選択)については、学校選択制で校区外の学校を選択した保護者は、「教育方針や教育内容」「学力調査・体力調査の結果」「学校の校内環境」「学校公開・学校説明会の内容」「学校の施設設備が良い」「卒業生の進路状況(中学校)」「やりたい部活動(中学校)」をあげたケースが、校区の学校を選択した保護者と比較して突出して多いという結果になっている。

アンケート結果からみえること

 大阪市では学校選択制の利用率そのものはそれほど高くはない。その一方で、このアンケートの結果からは、学力テストの点数が高い学校、地域で進学校といわれる高校への進学者数が多い学校、校内環境や施設が「良い」とみえる学校などが「選ばれている」傾向がうかがわれるということになる。

 これでは学校間競争につながり、学力テストでの点数向上競争や、いじめなど好ましくないことは隠蔽されるなど、生徒を「個」としてではなく「集団」としてしか見ない風潮ができてしまうのではないかという不安につながる。

 学校選択制の利用率そのものが、現時点ではそれほど高くないのは救いではある。一方でこれは、効果が疑問視される制度を行政が大がかりに導入しているということにもなる。

 他地域では不具合が表面化して学校選択制からの撤退が相次いでいた時期にもあたる2012年に、当時の市長・橋下徹の強い意向で学校選択制導入をぶちあげ、保護者や地域住民の反対や不安の声を押し切って、政治マターで導入を強行した維新市政の失敗であるということにもなる。

 学校間競争を煽るだけで効果も疑問視される、また就学にかかる事務手続きでも不要な手間と関連費用がかかることになるような学校選択制からは、撤退すべきではないか。