月平均60時間残業、残業代支給されないのは違法と提訴:埼玉県の小学校教諭

 「平均月60時間の残業をおこなっているにもかかわらず、労働基準法に定められた残業代が支給されないのは違法」として、埼玉県の公立小学校教諭(59)が9月25日、埼玉県を相手取り、約240万円の支払いを求めてさいたま地裁に提訴した。

提訴の背景

 公立学校教員に対しては、教職員給与特別措置法(給特法)により、基本給の4%に相当する「教職調整額」を上乗せする代わりに、時間外手当や休日手当てなどは支給されない。また教職員に対して正規の時間を超えて勤務させる場合は、校外実習や職員会議などの4業務に限るとされている。

 しかし当該教諭は、2017年9月から2018年4月にかけて、テストの採点、授業準備、成績評価などの作業により、1月あたり40~80時間の残業が生じたとしている。これらは給特法で定められた4項目の業務には入っていないため、残業代は一切支払われず無賃労働となっているとして、労働基準法に基づいて適正な残業代を支払うべきだと主張している。

 当該教諭は「ここ10年ほどで教員の管理が強まり、自由度が狭まり、業務量も膨大になった」「自身は今年度限りの2019年3月で定年退職の予定だが、こういう無賃労働を次の世代に引き継いではいけない」と訴えている。

教員の「働き方」そのものを問う訴訟に

 これは当該教員個人だけの問題ではない。

 教師の働き方の問題、業務負担が激増している問題、過重労働の問題。これらの問題を正面から問うような訴訟になっているといえる。

 給特法の規定の問題だけでなく、学校現場での慢性的な人員不足、教員の過重労働などについても、少しでも改善させられるようになってほしいと願うものである。

(参考)
◎残業代「ゼロ」どうなのか…市立小の教諭、残業代求め県を提訴「警察官も市役所職員も残業代が出るのに」(埼玉新聞 2018/9/25)