全国学力テスト、過去問演習など「特別な対策」半数近くの学校で

 全日本教職員組合は9月13日、「44%の学校で、全国学力テスト前に特別な対策をおこなっている」とする、全国学力テストへの各学校の対応状況を調査したアンケート結果を公表した。

アンケートの結果

 アンケートは2018年4月から6月にかけ、傘下の教職員組合地方組織を通じて組合員の教員に依頼し、21都道府県の小中学校626校から回答があった。

 「学力テスト前に特別な対策をしている」と答えたのは、小学校で52.0%、中学校で32.9%、小中学校あわせて約44.4%だったという。

 「特別な対策」を実施しているうち7割強が過去問演習を実施しており、また4割超で「テスト内容を想定した宿題を出した」としている。

 アンケートの自由記述欄には、4月の新学期開始から4月3週目のテスト実施日まで、テスト対策以外の通常の授業をほとんどしていないという訴えもあったという。

対策が横行する実態

 全国学力テストが、地域別・学校別の平均点や順位の競争に一面化され、学力状況の把握という建前すらないがしろにされているという実態が、このアンケートを通じても浮かび上がってくる。

 学力状況の把握とそれに伴う弱点克服の手立ての検討を図るのなら、「特別な対策」など全く必要ないし、むしろそんなことは邪魔になるはずである。しかし「特別な対策」を押しつけられているということは、平均点や順位を絶対視し、一面的な基準として扱っていることにほかならない。

 全校学力テストでは、かねてから各地域で過去問対策をおこなっていると指摘されてきた。大平喜信衆議院議員(当時。日本共産党)が2015年9月2日の衆議院文部科学委員会でこの問題を取り上げ、質疑をおこなっている。

2015年9月2日 衆議院文部科学委員会

○大平委員 (前段部分略)この学力テストの平均点を上げるためにどんなことをしているのか、大臣、御存じでしょうか。今、現場では、学テ対策と銘打って、休み時間や放課後まで学力テストの過去問などをやらせています。
 八月二十六日付の中国新聞では、新学期が始まってもテスト対象となる小六は、四月下旬のテスト実施日まで前年度の復習をするのが年中行事になった、配られた真新しい教科書が学力テストの翌日まで一切使われず、机の中で眠ったままに、六年生の新学期はそんな光景が普通になった、また、校長から六年生だけ四月の家庭訪問を中止すると告げられ、校長は県教委から補習にはいい時期だと示唆され、従わざるを得なかったという、こうした現場の実態がリアルに紹介をされています。
 平均正答率が全国平均より上か下か、全国何位なのかに一喜一憂し、先生も子供たちもこんなことに何の意味があるのかと思いながら、何度も過去問をやらせて問題の解き方をたたき込むといったこうした学テ対策が、私は、むしろ子供たちの学習意欲を奪い、荒れにもつながりかねないという懸念すら感じています。

 文部科学省では2016年に、「調査の正答率を上げることを主目的とした取り組みをしない」とする通知を出しているが、守られていない、2018年時点でもそういった状況は続いているということにもなる。

 やはり、悉皆調査で実施した上に地域別の平均点や順位を発表するような現行の全国学力テストのやり方そのものに、点数競争を煽るような仕組みがあるといえる。