中学校道徳:「日本教科書」採択はごく少数にとどまった様子

 2019年度より使用する中学校道徳教科書の採択状況が、次々と明らかになっている。

 日本教育再生機構やヘイト本出版社とも関連があると指摘され、教材の内容についても「過剰な日本賛美」「長時間過密労働の肯定」「ジェンダー・ロールの押しつけ」など極端な内容があると指摘された「日本教科書」。

道徳教科書会社「日本教科書」、『しんぶん赤旗』が報じる
 中学校の道徳教科書を発行する教科書会社「日本教科書」について、『しんぶん赤旗』2018年4月3日付が『道徳教科書の出版社と韓国ヘイト本出版社 代表者同じ』と報じている。記事で指摘されている内容 「日本教科書」はこれまで、他校種・他...
2018年中学校教科書採択:日本教科書と教育出版の道徳教科書に違和感
 教科書展示会が各地でおこなわれている。2018年夏は主に中学校道徳教科書を採択し、2019年度より使用する予定となっている。  日本教育再生機構やら、ヘイト本を出版している「晋遊舎」とのつながりやらなどの話が出てくる「日本教科書」。...

 この会社が発行する道徳教科書の採択は、現時点で当方で把握している範囲では、栃木県大田原市・石川県小松市・私立浪速中学校(大阪府)などごく少数にとどまった様子。

 当方が把握した地域ではいずれも、中学校社会科では、「日本教科書」と同じく日本教育再生機構と関連を持つ勢力が作る育鵬社教科書を採択しているという共通点がある。

 一方で、2015年中学校採択では育鵬社社会科教科書を採択した地域でも、道徳では他社を採択している例も目立つ(横浜市・大阪市・金沢市など)。

 道徳を教科化し、教科書に記された意図に沿って内面を評価するという方法自体が、危険なことではある。その一方で、とりわけ特定の意図が際立っている内容の編集をしているのが「日本教科書」だと指摘され、警戒されてきた。

 教科書編集自体が初進出となる同社が、今回このような採択結果になったのは、当面は一安心だとはいえども、油断はできない。

 社会科では、「新しい歴史教科書をつくる会」が教科書に初進出した際は採択はほとんどなかったが、2度目の2005年以降は当時の扶桑社教科書があちこちの地域で採択され、重大な問題となった。その後「つくる会」の内部分裂があり、旧同会反主流派が日本教育再生機構を立ち上げ、育鵬社からの発行となってからは、育鵬社教科書は横浜市や大阪市といった大きな採択地域を含めて、無視できないほど多くの地域での採択となっている。

 道徳でもこのようなことにならないのか、こういう状況にさせてはいけないと、警戒していく必要があるのではないか。