小学校英語、2020年度から導入:課題が山積み

 2020年度から小学校での英語が教科化される問題。この問題については、現場の教職員や保護者から懸念が示されている。

 小学校英語について、『しんぶん赤旗』2018年9月1日付が特集記事「小学校の英語 どう考える?」を出している。

記事で指摘されている内容

 記事では、学校現場の実態を取材しまとめている。

 2011年度以降の現行では、小学校5・6年で「外国語活動」の時間が週1授業時間(年間35時間)実施されている。2020年度以降は、5・6年で英語を教科として、週2時間(年間70時間)の実施へと倍増したうえで、さらに3・4年でも「外国語活動」を新たに実施する。

 一方で3割の自治体が、前倒しで英語を先行実施しているという。

 先行実施している自治体では、授業数確保のために、夏休みや宿泊学習・休み時間の短縮や、1日あたりの授業コマ数を増やすなどの対策を取っているという。また、小学校での英語は担任ないしは外国語担当教員が授業をおこなうことになっていることから、教職員への研修の負担も指摘されている。

 英語塾・英会話教室に通わせられる経済力のある家庭の子どもが有利になることで、経済力による学力格差が顕著に現れるという指摘もある。また、ALT(Assistant Language Teacher=外国語指導助手)の英語での指示がわからず苦痛を感じている子どもがいるという指摘もある。

課題は山積みのまま見切り発車

 これらの課題を放置することで、英語への苦手意識を早期に植え付けたり、学力格差がこれまで以上に拡大することにもつながりかねない。また教職員の側からみても、多忙化とカリキュラム過密化をさらに推し進めることにもなる。

 また財界などが中心となって推進している「『話せる英語』として文法軽視、会話への偏重」「早く始めるほどよい」という英語教育のあり方についても、専門家は「誤解。英語の仕組みを理解することが重要」だとも指摘している。

 これらの重大な指摘を無視したまま「見切り発車」することで、問題点がさらに深刻化することにつながりかねない。

 小学校英語については、現行での導入は拙速だと言わざるをえない。立ち止まって是非そのものから考え直し、導入する場合でも課題をていねいに解決できるような相当期間の準備期間が必要ではないか。