吉村大阪市長の「学テ乱用」批判:朝日新聞社説

 朝日新聞2018年8月28日付社説『(社説)大阪市長 学力調査を乱用するな』。

(社説)大阪市長 学力調査を乱用するな:朝日新聞デジタル
 小6と中3が対象の全国学力調査の成績を、校長や教員の人事評価とボーナスに反映させる。各学校への予算配分も、結果にあわせて増減させる。 大阪市の吉村洋文市長が、こんな方針を打ち出した。 学力を底上げす…
(社説)大阪市長 学力調査を乱用するな:朝日新聞デジタル
 小6と中3が対象の全国学力調査の成績を、校長や教員の人事評価とボーナスに反映させる。各学校への予算配分も、結果にあわせて増減させる。 大阪市の吉村洋文市長が、こんな方針を打ち出した。 学力を底上げす…

 吉村洋文大阪市長が2018年8月、全国学力テストの成績を市立学校教職員への勤務評価や学校予算配分の増減に使うなどと表明した問題。この問題について批判している。

 社説の内容は、これまでの学力テストの流れを踏まえての状況を、わかりやすく解説している形になっている。

勤務評定や点数競争と結びつけると不正の温床に

 社説で指摘されている内容は、抽象的な懸念ではない。実際に過去に発生した事例によって知られていることである。

学力テストでの人事評価は不正を必然的に呼び込む
 吉村洋文大阪市長が、全国学力テストの成績を教職員人事評価に反映させるなどと表明している問題。この方針には、各方面から批判が寄せられている。  しかし吉村市長は、批判などどこ吹く風という感じで、ツイッターなどで「反論」を試み続けている...

 1960年代の全国学力調査では、教職員との勤務評定とリンクした結果、テストの点数を上げるための不正が横行したり、通常の授業をつぶしてテストの過去問演習に時間をかける事例も報告された。そのために一度廃止された経緯がある。

 そして2007年に現行方式での全国学力テストが導入されたものの、テストの成績を上げるための不正や不適切行為は、全国各地でしばしば報告されている。

 特定の教師個人や学校の暴走ではなく、システム的に追い立てられてこのような不正につながるということは、各方面から多数指摘されている。

 学力テストが点数競争や勤務評定と結びつけられると不正につながるのは、過去に問題になった事例が多数あり、いわば「常識」レベルである。吉村市長は教育や歴史に無知なのかもしれないが、多くの専門家の指摘すら無視して導入しようとするなど、愚の骨頂だと言わざるをえない。