中学校道徳教科書に関する申し入れ:さいたま市の市民団体

 「よりよい教科書を求めるさいたま市民の会」と「道徳教科書を考える市民の会」は7月17日、さいたま市教育委員会に対し、中学校道徳教科書採択に関する申し入れをおこなった。

 採択には中学校の現場の声を十分に尊重することなどを求める「道徳教科書に関する署名」5415人分もあわせて提出した。

申し入れの内容

 申し入れでは、中学校道徳教科書の問題点について示し、日本教科書・教育出版・廣済堂あかつきの3社の教科書には問題があるとして、この3社は採択しないよう要望している。

 日本教科書については、日本教育再生機構関係者が母体となって作ったこともあり、極右的な考え方が特に反映されている。日本教科書には、安倍首相の演説も掲載されていて、政治的中立にも問題があるとも指摘されている。

 また教育出版についても、日本教科書ほどではないものの、極右的な徳目刷り込みなどの一方的な記述も目立つ。

 また申し入れで指摘された3社については、道徳学習の到達点を生徒自身に数値評価させるという問題もある。道徳を数値で評価させるということは、教科書で示された特定の価値観にどれだけ近づいたかということを評価することになり、特定の不変の答えがあるわけではなく自ら考えて価値観を形成していく道徳としては重大な問題である。

2017年度の小学校教科書採択では…

 さいたま市では、2017年の小学校道徳教科書採択(2018年度から使用)において、教育出版の教科書が採択された。

 この教科書では、一方的な徳目刷り込みや、現役政治家(安倍首相、野田義和・大阪府東大阪市長)の写真を本文の文脈とは無関係に掲載するなどの政治的中立性の問題も指摘された。

 さらには、市内の75%の小学校から推薦があった教科書が採択されず、教育出版を採択したことにも、市民から疑問が出ている。

 中学校の教科書採択にあたっては、このような不透明なことがあってはならない。現場の声を反映したもの、待たないように問題が少ない者を採択することが望まれる。