教育再生首長会議、会合で「日本教科書」の宣伝資料配付

 安倍首相の「教育改革」に賛同する首長らでつくる「教育再生首長会議」が、歴史修正主義的な内容を記した育鵬社社会科歴史・公民教科書と密接な関係を持つ「日本教育再生機構」に事務局を委託し、委託費を公費から支出しているとされている問題。

 この問題は『沖縄タイムス』2018年7月15日付で報じられたが、『琉球新報』2018年7月20日付でも報道されている。

育鵬社推進団体に公費 教育再生首長会議、事務委託 宮古・石垣市長も支出
 育鵬社など保守的な教科書の採択拡大を目指す一般財団法人「日本教育再生機構」(八木秀次理事長)に事務局を委託して2014年に設立された「教育再生首長会議」(会員131人)が、委託費として年間約40...

 『琉球新報』での報道内容は、事実関係については大筋では『沖縄タイムス』の報道内容と近い。

 しかしその一方で、気になる内容が記されている。

「日本教科書」の道徳教科書を宣伝

 記事によると、教育再生首長会議が2018年1月に開いた会合で、中学校道徳教科書について「日本教科書」の宣伝資料が配付されていると指摘されている。

 「日本教科書」は、日本教育再生機構理事長・八木秀次氏などが設立に関与した、「道徳教育専門の教科書会社」とされている。2018年夏に採択され2019年度より使用される中学校道徳教科書が初参入となる。

 「日本教科書」の道徳教科書の中身については、長時間過密労働肯定、ジェンダー・ロール肯定、過剰な自国賛美などと受け止められる教材など、強い危惧が示されている。

2018年中学校教科書採択:日本教科書と教育出版の道徳教科書に違和感
 教科書展示会が各地でおこなわれている。2018年夏は主に中学校道徳教科書を採択し、2019年度より使用する予定となっている。  日本教育再生機構やら、ヘイト本を出版している「晋遊舎」とのつながりやらなどの話が出てくる「日本教科書」。...

 道徳教科書については、おかしな内容の教科書が他にも数社あるが、「日本教科書」のおかしさは際立っている。

 またそれ以前に、首長に対して特定の教科書の資料を配付して宣伝するのは、首長が特定の教科書を推すと受け止められかねないものであり、採択手続きの公正性から見ても問題があると受け取れる。

 中学校道徳教科書採択の手続きは、2018年7月下旬から順次始まっている。教育再生首長会議参加の首長がいる自治体をはじめとして、採択の状況を注視していきたい。

教育再生首長会議、日本教育再生機構に事務局委託費支出:自治体公費から
 『沖縄タイムス』によると、教育再生首長会議が日本教育再生機構に事務局を委託し、2014年度~17年度に委託費用計1220万円を支払っていたことが、同紙の調査で判明したとしている。  同紙2018年7月15日付『育鵬社支援団体に自治体...