過労死、時間外労働の7割が部活指導:富山県の中学校教諭

 富山県内の公立中学校に勤務していた40代男性教諭がくも膜下出血で死亡した件で、地方公務員災害補償基金(地公災)富山県支部が「倒れる直前2ヶ月の時間外労働はそれぞれ120時間前後で、うち7割が部活動指導」として過労死認定をしていたことがわかった。

 毎日新聞2018年7月17日『富山の教諭 部活指導で過労死認定』が報じている。

報道で示された経過

 報道によると、教諭は2016年7月に自宅で倒れ、約2週間後に死亡した。遺族側は学校を通じて公務災害認定請求書を提出した。

 地公災富山県支部は、直近2ヶ月の時間外勤務について、発症1ヶ月前が118時間(うち部活動78時間)、発症2ヶ月前が128時間(うち部活動100時間)と判断した。厚生労働省が定める月80時間の過労死ラインを大幅に超過していることになる。

 死亡した教諭は運動部の顧問を務め、土日もほとんど練習や練習試合に携わっていた。

「ブラック部活動」の弊害

 報道では、「関係者によると教諭は仕事にやりがいを感じていた一方、「休みたい」と心身の負担を訴えることもあったという。」と指摘されている。一方で所管の教育委員会は、毎日新聞の取材に「ノーコメント」としたという。

 放課後や土日をつぶして長時間練習に駆り立てるような「ブラック部活動」の弊害が、最悪の形で現れた形になっている。

 部活動は教育課程外の「生徒の自主的・自発的活動」扱いだが、顧問を校務扱いで事実上強制する動きも広くおこなわれている。そのため、部活動に割く時間が多くとられることで、教科指導や担任業務などの教員としての本来の業務にしわ寄せがきたり、長時間過密労働の一因ともなっている。

 生徒・保護者の一部や教育行政の一部にある、授業よりも部活動に熱心な部活動至上主義的な社会の風潮も、追い打ちをかけるような形になっている。

 今一度、部活動のあり方を見直していかなければならない。