柔道「締め落とし」指導を違法とする判決確定:指導者側の上告棄却

 福岡市の柔道教室で、指導者から絞め技で失神させる「絞め落とし」を受けたとして、柔道教室に通っていた生徒(17)が指導者を相手取り損害賠償を求めた訴訟。

 この訴訟で、最高裁が2018年6月19日付で、指導者側の上告を受理しない決定を出した。指導者の行為を違法と認定して4万4000円の賠償を命じる一審福岡地裁判決が確定した。

事件の概要

 被害に遭った生徒は、中学校2年だった2014年10月、福岡市の柔道教室で、指導者から絞め技を受けて失神させられる「締め落とし」を受け一時意識を失った。すぐに意識を回復したものの、しばらく頭痛やしびれが残るなどした。

 生徒側は、指導者から「落ちる(失神する)ことがどういうことかわかったか」といわれたとして、「故意に危険な行為をした」として、指導者側に損害賠償を求めて提訴した。

 指導者は「この生徒が小学生に絞め技をかけていたので、危険性をわからせるためにした。違法性はない」と主張し、争う方針を示した。

 一審福岡地裁(2016年12月)では、指導者の行為について「体で分からせるのは指導として不適切」と指摘し、4万4000円の損害賠償を命じた。二審福岡高裁(2018年1月)では「口頭での注意や練習態度を注視する方法もあった。体でわからせるのは、指導としては行き過ぎ」と判断し、一審判決を支持した。

判決の意義

 指導者側がいくら「指導」と称しても、危険な行為であることには変わりがない。指導者の行為が不適切な指導であると認定されたのは、重要な意味を持ってくるのではないかといえる。

 このような「指導」を根絶していかなければならない。

(参考)
◎損賠訴訟 柔道「絞め落とし」違法 教室指導者の賠償確定 最高裁(毎日新聞 2018/7/3)
◎柔道の「絞め落とし」指導、根絶を 連盟が呼びかけ(朝日新聞 2018/6/11)