教諭の強制わいせつ、市の責任は認めるが請求は棄却:愛知・豊田市

 愛知県豊田市立小学校で、担任だった教諭(懲戒免職)からわいせつ行為を受けたとして、被害に遭った女子児童と保護者が豊田市に対して約600万円の損害賠償を求めた訴訟で、名古屋地裁岡崎支部は6月29日、市が教諭へ必要な対応を怠ったとして、市側の過失を認定して200万円相当の賠償責任を認めた。

 一方で被害者側と元教諭の男との間ですでに300万円で示談が成立しているとして、請求そのものは棄却した。

事件の経過

 被害児童は特別支援学級に在籍し、加害者は特別支援学級の担任だった。2014年に教諭から服を脱がせられて写真撮影されるなどの性的虐待行為を受けた。

 加害者教諭は懲戒免職となり、また刑事事件としては強制わいせつ罪などで懲役1年8月・執行猶予3年の判決が確定した。

 加害者については2012年にも、当時勤務していた市立中学校で女子生徒へのわいせつ・性的虐待行為をした疑惑が浮上し、学校側が調査をおこなっていた。このときには処分されず、教諭は休職の後に、事件のあった小学校に異動していた。

 判決では、前任校当時の調査の落ち度や、異動先の小学校に情報を伝えて適切な対応をとる必要があったのに怠ったことなど、市の対応の不備を認めて賠償責任を指摘した。

 市は「前任校の事件については事実が認定できなかった」「小学校に異動後も、別の児童をひざに乗せるなどの行為があったが、性的な行為まで予想できなかった」などとして争っていた。しかし判決では市の主張を退けている。

一定の判決ではあるが不十分

 判決は、事実関係を一定程度反映したものだとはいえる。しかし加害者個人との和解と、市の賠償責任については、別個のものではないか。加害者個人との和解を理由に、市の責任を認めながらも、実際の賠償義務は却下したというのは、少し違うのではないかという気がしてならない。

(参考)
◎損賠訴訟 教諭わいせつ 「性的行為予見できた」 地裁支部、愛知・豊田市教委の責任認定(毎日新聞 2018/6/30)
◎わいせつ前歴「調査すべき問題」 豊田市教委対応の不備指摘(中日新聞 2018/6/30)