愛知県豊橋市立小学校「体罰」事件:元教諭に執行猶予付有罪判決

 愛知県豊橋市立岩西小学校で2017年10月、担任クラスの2年生の女子児童の頭をつかんで黒板にぶつけるなどの暴力行為・「体罰」を加えたなどとして暴力行為法違反に問われた元教諭・深谷勝義被告(43)=依願退職=に対し、名古屋地裁豊橋支部は2018年6月28日、懲役1年・執行猶予3年(求刑懲役1年)とする有罪判決を出した。

判決の内容

 元教諭は2017年度、2年生の担任を務めていた。児童に威圧的な指導をおこなうなどしたことで保護者から苦情が出るなどしていた。

 立件の対象となった事件は、児童2人に対する「体罰」事件2件だった。また刑事事件としては立件対象とはなっていないものの、元教諭は教員になって以降、検察側が把握した範囲でも100件近くの暴力行為・「体罰」事件を起こしていると指摘されていた。

愛知県豊橋市立岩西小学校「体罰」事件
愛知県豊橋市立岩西小学校の男性教諭が2017年、受け持ちのクラスで「体罰」暴行や威圧的な指導を常習的に繰り返していたことが発覚した事件。当該教諭は過去にも「体罰」で処分を受けた前歴や、児童を骨折させた前歴もある。事件の経過愛知県豊橋市立岩西

 判決では、元教諭の行為について「自身の指導を理解しない児童に対し、怒りの感情に任せて暴行したことは、身勝手で理不尽な犯行」と認定した。また以前にも「体罰」事件を繰り返していたことをあげ、「常習性は顕著」とも指摘した。

 被害児童が通学を嫌がる・心療内科を受診するなどの事情もあり、児童に与えた苦痛は大きいとも指摘した。

 その一方で、元教諭が事実を認めたこと、被害者側に弁済の意思を示したこと、停職処分と依願退職ですでに教育現場から去っていること、本人がアンガーマネジメント(怒りの感情を自己制御する心理訓練)の講座を受講し妻が被告を監督する意向を示していること、などをあげ、執行猶予をつけた。

判決の意味

 俗に「体罰」事件と言われるような、教師による児童生徒への暴力事件。たとえ重大な事件でも、刑事事件として立件されることも比較的少ないし、有罪になることはもっと少ない。

 報道によると被害者側は厳しい処罰感情を持っていたと聞く。実刑判決でなかったことはともかくとして、執行猶予付きだとはいえども有罪判決が出たことは、これまでの同種の事件と比較すると画期的といえるのではないか。

 判決では当該者が「反省している」として、執行猶予をつけたようである。しかし本当に反省しているかどうかは、今後の当該者自身の言動次第である。

(参考)
◎黒板に女児の頭打ちつけ、元小学教諭に有罪判決(読売新聞 2018/6/28)
◎愛知・豊橋の体罰 元教諭有罪 「常習性顕著」 地裁豊橋支部判決(毎日新聞 2018/6/28)
◎黒板に頭打ち付け、体罰元教諭に有罪判決 地裁豊橋支部(中日新聞 2018/6/28)