頭髪や染色に関する規定がない府立全日制高校は10校:大阪府教委

 大阪府教育委員会が府立高校全校に対して頭髪指導の状況を問い合わせた調査で、全日制高校のうち頭髪や染色に関する規定がない学校が10校あったことがわかった。毎日新聞2018年6月13日付『大阪府教委 校則をHPで公開へ 頭髪色規定なし10校』が報じている。

大阪府での頭髪指導状況調査の背景

 大阪府では2017年、府立懐風館高校(羽曳野市)に在学中の生徒が、「生まれつき茶色がかっている髪を黒く染めるよう繰り返し強要された末に、頭髪が傷んだり、精神的な症状も出た。学校側からは行事への参加や授業出席を禁止され、不登校状態になった」として、大阪府に対して訴訟を起こしている。

 この訴訟を受けて大阪府教委は、府立高校に対して頭髪指導の実態調査をおこなっていた。

 府教委では、個別の学校がどのような回答をしたのかについては、報道発表などの形では明らかにはしていない。しかしその一方で、懐風館高校での訴訟に関連して、各学校別の頭髪指導状況の回答内容を裁判資料として提出したという。

 毎日新聞の記事では、資料の内容を一部紹介する形になっている。

頭髪指導の状況

 毎日新聞の記事によると、裁判資料では、北野高校(大阪市淀川区)、高津高校(大阪市天王寺区)、今宮高校(大阪市浪速区)、住吉高校(大阪市阿倍野区)、豊中高校(豊中市)、千里高校(吹田市)、茨木高校(茨木市)、春日丘高校(茨木市)、三国丘高校(堺市堺区)、和泉総合高校(和泉市)の10校が、校則では洗髪や脱色を禁止する規定を設けていないと回答している。

 傾向としては、高校卒業後に就職する生徒が多い学校ほど頭髪に関する規定が厳しい傾向があり、その一方で大学進学を目指す生徒が多い学校・進学校といわれるような高校では頭髪に関する規定はなかったりゆるかったりする傾向があるという。

 就職試験での面接への対策として、就職する生徒が多い学校では頭髪規定や服装規定などの校則が厳しくなっているのではないかともされている。

 また、訴訟となっている懐風館高校では、他の高校と比較しても、頭髪に関する校則・禁止事項が突出して厳しい傾向となっているということである。染色や脱色の禁止だけではなく、「切り込み」「そり込み」「ツーブロック」「整髪剤」「カチューシャ」「ヘアバンド」なども禁止と、他校と比較してこと細かく禁止事項が書き込まれていたという。

生徒の自主性を尊重した生徒指導を

 学校は生徒の教育や成長の場でもあることから、生徒指導は、生徒の自主性や納得をもとに進められるのが原則である。

 生徒の個別の事情を考慮せず、頭髪や服装などに厳しい規定をもうけて型にはめるような、管理教育的なものや、ゼロ・トレランス的なものであってはならない。生まれつき茶色い髪の生徒などにも一律に黒髪を強要するなど、人権侵害であり、いじめの手口でもある。

 また、就職面接に関係する問題や、茶髪の生徒がいると学校に苦情の電話を入れたりする地域住民がいることなどで学校の評価に関わるのではないかという問題など、学校だけではなく社会全体の問題としても検討し、必要な対応をしていくべき論点ではないかといえる。