「阪大と統合」フェイクニュース広まる、大学公式が打ち消し:大教大

 大阪教育大学(大教大)が大阪大学(阪大)と統合するというフェイクニュースが広まり、大学側が打ち消す声明を出していたことが、6月2日までにわかった。

 大教大で開講されたメディアリテラシーの授業の一環として、学生がフェイクニュースを作成しサイトに掲載するという実習をおこなったが、実習で作成したサイトの内容が「本物のニュース」と誤認されて広まったという。

噂が広まった経過

 大教大では2017年後期の授業で「メディアリテラシー演習」を開講した。メディアリテラシーへの意識・能力を高める一環として、受講生の学生がフェイクニュースを作成して「大教新聞」と銘打った特設サイトに掲載する実習課題を出した。他の受講生も、別の受講生が作成したフェイクニュースを読んで、フェイクニュースの仕組みなどの理解や研究を深める目的があった。

 その際に、「大教大が阪大と統合」などとする、大学統合に関するフェイクニュースが作成されて掲載された。作成されたフェイクニュースでは、「政府は、大阪大と大阪教育大を2025年にも統合するための関連議案を国会に提出することを確認した」などと記載されていたという。

 授業終了後も、フェイクニュース研究のための授業資料として、特設サイトはそのまま残していた。

 特設サイトでは「これは大教大の授業の一環として作成されたフェイクニュース」とトップページに記載していた。しかし個別の記事ページには注意書きが記載されていなかったなど、注意書きの記載方法が不十分だった。このサイトの内容を本物だと思い込んだ人がSNSで広めた。

 阪大との統合の噂が広がっていることを把握した大教大は、2018年5月までに公式ツイッターで「事実ではない」とする声明を出した。

 大教大は5月末までに、授業担当者に注意をおこなった。授業担当者は2018年5月31日付で当該サイトを削除し、状況の説明とお詫び文に差し替えた。

噂が広がる条件がそろいすぎていた

 この間の経過は、当事者にとっては大変な内容だが、噂やデマの広がる過程として、社会学の入門テキストで示されているような典型的内容が発生した形になっている。

 ある意味、騒ぎになったことで、授業の狙いは予想を超えて思わぬ形で当たってしまったのかもしれない。

 題材の選び方が「はまりすぎた」ことが、思わぬ信憑性を招いてしまったのだとも推測される。大阪府では2007年に、阪大と大阪外国語大学が統合した経緯がある。また大阪府立大学と大阪市立大学の統合話もくすぶっている。全国をみると、東海地方や北海道で、近隣の国立大学法人の経営統合話も持ち上がっている。そういう背景もあり、閲覧者が本物だと勘違いして広まったのかもしれない。

 フェイクニュースが広まる過程、また大学の統合や運営法人統合などの過程についても、考えさせられる。