いじめで手首など骨折、学校は把握しながら市教委に報告せず:広島・福山市

 広島県福山市立中学校2年の男子生徒が同級生からいじめ・暴行を受けて両手手首骨折のケガを負った事件で、学校側が事件を把握しながら市教委への報告をしていなかったことが、5月20日までにわかった。

事件の経過

 報道によると、事件の経過は以下のようになっているという。

 被害に遭った男子生徒は2018年4月16日、校内で同級生の別の男子生徒から追いかけられ、突き飛ばされるなどした。生徒は弾みで廊下の壁に激突して転倒した。加害生徒はさらに、被害生徒の体に馬乗りになるなどした。被害生徒は両手手首と左腕骨折などのケガを負った。

 学校側は当日中に双方の生徒から聴き取りをおこなったが、その時点では「いじめではない」と判断した。学校側は事件について、市教委への報告をしていなかった。

 その後5月になり、被害生徒の保護者から問い合わせを受けて再調査をおこなった結果、以前から加害生徒が被害生徒にいじめ行為をおこなっていたことを確認し、被害生徒へのいじめがあったと判断した。

 学校側は5月15日になって初めて、骨折事故として市教委に報告したが、いじめについては触れなかったという。5月17日に保護者が市教委への問い合わせをおこなったことで、市教委は初めていじめの事態を把握した。

 学校側は報告が遅れたことについて「失念していた」などとしているという。

いじめ隠蔽

 一連の事態は、いじめの隠蔽と批判されてしかるべきものとなっている。

 また福山市では、生徒指導に「ゼロ・トレランス」方式が用いられて問題になっているが、このこととの関連も気になる。

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 「ゼロ・トレランス」方式によって、一人一人の生徒の状況と向き合うことがなく、学校側に不都合な生徒指導上の事象は隠蔽されるという状況ではないかとも感じる。

(参考)
◎中2男子 いじめで大けが 学校は1か月報告せず 広島 福山(NHKニュース 2018/5/20)
◎福山市立中 中2男子骨折 「いじめ」判明まで報告せず(毎日新聞 2018/5/20)
◎生徒大ケガ すぐに市教委に報告せず 広島(広島県)(NNNニュース 2018/5/20)