埼玉県立高校女子生徒自殺、ツイッターでの不適切書き込みをいじめと認定

 埼玉県東部の埼玉県立高校2年だった女子生徒が2017年4月に自殺した問題で、埼玉県いじめ問題調査審議会は5月14日、「同じ学校の男子生徒と、その男子生徒の妹(兄の男子生徒および自殺した女子生徒と同じ学校に在籍)から、ネット上で不適切な書き込みを受けるなどのいじめがあった」ことを認定し、報告書を県教委に提出した。

事件の経過

 報告書やそれを受けた報道の内容によると、いじめ事件とされる経過は、概略以下のようになっているという。

 女子生徒は1年生だった2016年9月頃から、当時同校3年だった男子生徒と交際するようになった。しかしこの女子生徒は男子生徒と別れたいと思うようになり、2017年2月頃にツイッターで裏アカウントを作り、この男子生徒の悪口を書き込むようになった。ツイッターは、女子生徒の友人数人しか閲覧できない設定になっていた。

 しかし2017年3月頃、男子生徒は、女子生徒が自分の悪口をネット上に書いていることを知った。そのことに怒った男子生徒は、女子生徒の悪口をネット上に書き込んだ。男子生徒は、女子生徒が非公開アカウントに記した内容を、ネット上に書き込むなどした。

 また男子生徒は自分の妹に対して、「女子生徒がツイッターで妹を非難する内容を書いている」と伝えた。妹はそれまで女子生徒について「兄の交際相手」以上の関心はなかったというが、自分の悪口を書いていると聞かされたことで、反撃のような形で、女子生徒を脅すような書き込みをネット上におこなった。

 女子生徒はこれらの書き込みにショックを受けたとされ、2017年4月16日に自宅で自殺した。

 女子生徒は自殺直前の2017年3月末に、ネットの件について学校側に相談していた。しかし女子生徒は一連のトラブルについて「いじめではない」としたことから、学校側はそれ以上深く立ち入らず、また年度末だったこともあり、十分に対応できていなかったことも指摘されている。

背景にはネット・SNSの活用の問題が

 報告書では、男子生徒や妹のネット上での書き込みを、女子生徒へのいじめと認定した。

 一方で、男子生徒や妹の側からみれば、自分を中傷してきたことに対する反撃だという言い分も、論理的には成り立ちうるのかもしれない。

 この事件では、女子生徒の保護者が、男子生徒側と埼玉県を相手取り、損害賠償を求める民事訴訟を起こしている。

 この事件の根底にはインターネット・SNSの使い方の問題があるのではないかといえる。一連の書き込みでは、自分の書き込みが不適切だという認識はなかったのかもしれない。

 今一度、インターネット・SNSの適切な使い方について、見直していく必要があるのではないか。

 報告書では、学校での情報モラル教育の必要性についても言及している。また、家庭でスマートフォンを買い与える際に、ネットの危険性などを教える家庭教育の必要性についても触れている。報告書での指摘通り、学校・家庭の双方で教育をしていくことが必要だといえる。

(参考)
◎女子高生自殺で埼玉県審議会、ツイッターでのいじめ認定(TBSニュース 2018/5/14)
◎いじめのきっかけツイッター 高校生自殺で報告書(テレビ朝日ニュース 2018/5/14)
◎埼玉・高2自殺 「いじめ契機」 県教委の第三者審議会が報告(毎日新聞 2018/5/15)
◎高2女子自殺 ネットのモラル、教育を 「安易ないじめ可能」 報告書 /埼玉(毎日新聞 2018/5/15)
◎埼玉の高2自殺「ネットいじめがきっかけ」調査報告書(朝日新聞 2018/5/15)
◎教育現場の盲点浮き彫り 「SNSでいじめ」認定 高2女子自殺の背景 埼玉(産経新聞 2018/5/15)
◎女子高生自殺、交際相手とその妹のSNSいじめ認定 調査審が報告「自殺の直接の理由とは言えぬ」(埼玉新聞 2018/5/15)