大阪市、教科書採択手続を承認:中学校道徳などが対象

2018年5月21日

 大阪市教育委員会は4月24日の教育委員会会議で、2019年度教科書採択の手続について審議し、原案通り承認された。

2019年度採択(2018年採択実施)は中学校道徳が主な対象

 2018年中に採択され、2019年以降に使用される義務教育諸学校教科書については、中学校道徳が主な採択の対象となっている。

 小学校教科書については本来は、4年に1度の採択替えの年にあたる。しかし、2020年度に小学校新学習指導要領実施を控えていることで、2019年に新課程対応の教科書の発行・採択がおこなわれる予定になっている。その背景もあって、2018年には小学校教科書の検定・改訂がなかったこともあり、変則的に4年前の2013年採択をそのまま踏襲することになった。

 また大阪市では、2019年度に開校予定の国際バカロレア公設民営中高一貫校「水都国際中学校」について、全教科で教科書採択を実施する。

採択の流れ

 2018年5月にも教育委員会が教科用図書選定委員会を設置し、選定委員会が各調査会を設置して教科書の内容調査研究と分析を実施する。調査会の研究の結果を基に選定委員会が研究をおこない、市教育委員会に答申をおこなうことになる。

 最終的には、2018年7月下旬~8月に実施する教育委員会会議で採択となる。

 中学校道徳については、保守反動的な思想に基づいて編集された教科書があるのではないかと指摘され、注目されている。

中高一貫校での社会科の採択の動向は?

 また、大阪市の新設の中高一貫校では、社会科関係の動向も気がかりでもある。大阪市では2015年度中学校教科書採択で、市立中学校および中高一貫校で、いずれも育鵬社版の歴史・公民教科書が強引な形で採択され、問題になった。

 育鵬社教科書は、記述内容についても学術的に問題があるものであるが、採択の際には、教科書展示会会場での教科書アンケートの集計に不正同然の行為があったことが発覚して大問題になった経過もある。

 同一人物が何枚も同じ内容を記載したと思われるような、酷似した筆跡と内容のアンケート用紙が何十枚も投函され、大阪市教委事務局はそのまま集計していた。そのアンケートで「育鵬社教科書を支持する声が多い」というのが育鵬社採択の決め手となった。

 組織的な同一内容のアンケートの投函には、住宅販売会社「フジ住宅」(大阪府岸和田市)が関与していたことが指摘された。

 今回2018年の教科書採択では、他の中学校では社会科の採択替えはないが、水都国際中学校でどのような採択がされるかも、注目だといえる。