旧優生保護法:1950~70年代の保健体育教科書で「障害者への強制不妊手術」「優生思想」肯定的に描いていた

 障害者への不妊手術が強制的に実施されていたことが社会問題化している。

 このことに関連して、1950年代~70年代に使用されていた保健体育の教科書で、障害者への強制的な不妊手術について肯定的に記されていたと、一部で報じられている。

報道された内容

 テレビ朝日の報道によると、1951年版のある高校保健体育科教科書では、当時施行されたばかりの優生保護法について「この法律は、社会から悪い遺伝性の病気を持った人を除き、健康で明るい社会を作るために大切なもの」などと肯定的に記されていたという。また「凶悪犯罪者には精神病や白痴の者が少なくないことを考えるとき、この法律の大切なことがわかるであろう」とする記述もあった。

【報ステ】「明るい社会のため」教科書に優生思想

テレビ朝日ニュース「【報ステ】「明るい社会のため」教科書に優生思想」(2018年4月26日)より

 時代は下り、この教科書から約20年後の1972年版の高等学校学習指導要領解説でも、「優生の意義や優生上問題となる疾病および血族結婚などについて理解させる」と記されている。

 静岡県内の聾学校では1950年代、校長が保護者に対して、生徒に不妊手術を受けさせるよう強く勧めたということも、報道で紹介されている。

歴史的な悲劇を繰り返させないように

 林芳正文部科学大臣は、過去にこのような教育がおこなわれていたことを認めた上で、「優生思想に基づく差別は旧優生保護法に基づく規定が削除された段階で明確に否定をされたものと受け止めておりますし、障害者に対する差別は決してあってはならないものだと思っています」とコメントした。

 当時の教育は、時代背景があったとはいえども、人権侵害や障害者差別に該当するものとなっている。歴史的な事象として重く受け止めたうえで、このようなことが二度と発生しないよう、必要な対応を徹底していくことが重要ではないか。

(参考)
◎【報ステ】「明るい社会のため」教科書に優生思想(テレビ朝日 2018/4/26)
◎「差別あってはならない」 強制不妊手術の学校教育(テレビ朝日 2018/4/27)