熊本県の小学生対象のバレーボールクラブ2ヶ所でそれぞれ、監督が「指導」と称した暴力行為を常習的に繰り返していたことがわかった。
事件が発覚したのは、熊本県八代市のバレーボールクラブと、熊本市のバレーボールクラブ。
事件の経過
八代市では2017年6月、男性監督が女子選手の体をつかんでバレーボールネットにぶつける、「練習」と称して至近距離から顔面をめがけてレシーブを放つ行為をするなどの暴力行為が発覚した。現場に居合わせた別の男性コーチは、監督の行為を目撃しながら放置した。
また熊本市では2017年7月、監督が女子選手を蹴りつけたり、履いていた靴の靴紐をはさみで切るといった行為をおこなった。
いずれのクラブでも暴力行為は日常的におこなわれ、退団に追い込まれた小学生が2チームで計11人いたという。
日本スポーツ協会と日本バレーボール協会は2018年2月、当該監督2人の暴力行為を認定し、それぞれの指導員資格を取り消す処分をおこなった。また八代市のコーチについても、指導員資格停止3年の処分にした。
暴力的な「指導」は許されない
これらの行為はいずれも悪質な暴力行為であり、決して許されないことである。
またレシーブ練習と称して、至近距離から顔面をめがけてボールを投げつける行為は、過去にも重体事故が起きているほどの極めて危険な行為であり、練習ではなく暴力行為と見なされるべきものである。このような「指導」「練習」と称した行為がいまだにまかり通っているのは、危険極まりない。
当該者に対する資格取消処分は当然の方向性ではある。同時に、このような行為をする指導者をなくすための手立てもとっていくことが求められる。
(参考)
◎バレー監督 小学生に暴力で処分(NHKニュース 2018/4/24)