市議を招いての主権者教育、市教育長が「問い合わせ」:京都府立高校

2018年5月21日

 京都府立西城陽高校(城陽市)で2018年2月、主権者教育の一環として、超党派の城陽市議らを呼んで意見交換会を実施した。

 その際に市民の間では賛否が分かれている、市の大規模文化複合施設「文化パルク城陽」売却問題がとりあげられたことに対し、教育長や市幹部職員が京都府教委や学校に問い合わせをおこなっていたことがわかった。

 教育長らの対応は政治的中立の観点から軽率ではないか・問題があると指摘され、教育長は3月下旬の市議会で陳謝している。

事件の経過

 意見交換会は2018年2月14日、2年生の授業でおこなわれた。城陽市議会から各会派の市議6人が出席し、市政課題について生徒と意見交換をおこなった。

 意見交換会の中で、「文化パルク城陽」について、城陽市が施設を売却して財源を捻出した上で改めて賃借をおこなう「セール・アンド・リースバック」方式を採用したことに関する質問が出た。各会派の議員は、それぞれの考え方を生徒たちに説明した。

 施設売却を担当する幹部職員がこの授業内容を知り、授業で施設売却問題を取り上げた経緯について、2月20日に学校側に直接尋ねた。

 さらに教育長も、京都府教育委員会を通じて学校に問い合わせをおこなった。

 学校側は市議会に対し、「行政から学校が責任を問われるようなことになるなら、今後は意見交換会を継続できない」と苦情を申し入れたという。

 新聞報道によると、校長は取り組みそのものは「よい学習機会となった」としながらも、今後の開催には不安があると話したという。

教育長らの行動に批判

 この「問い合わせ」の問題は3月23日の城陽市議会予算特別委員会で取り上げられ、政治的中立の立場から問題だとする批判が出た。教育長は「今後は軽率な行動を控えたい」と答弁した。

 教育長は3月26日に学校を訪問して謝罪し、3月27日の市議会予算委員会でも陳謝した。

 学校側は「議会の協力が得られたら来年度もやりたい。テーマや運営はより慎重に検討したい」と発言したという。

主権者教育への政治介入

 この騒動は、市当局の方針に沿わない意見を扱うことに対して、圧力をかけるような形になってしまっていると受け取れるものである。政治介入にあたるのではないか。

 このようなことがまかり通るのならば、学校現場を著しく萎縮させることになる。

 この個別案件については教育長の陳謝で一定の収束をみたものの、似たようなことが各地で起こりかねない危険性をはらんでいる。

 このような介入を起こさせないような風潮を作ることが重要になってくる。

(参考)
◎京都・城陽市教育長らが授業照会 府立高の主権者教育めぐり(京都新聞 2018/3/28)
◎城陽市教育長「強く反省」 京都府立高の授業照会、議会で陳謝(京都新聞 2018/3/28)