中学生時代のいじめでPTSDに、被害者が提訴:兵庫・福崎町

2018年5月21日

 兵庫県福崎町立中学校に在学していた2002年~2005年3月当時、同級生から暴行・いじめを受け続けてPTSDになり就労できない状態に追い込まれたなどとして、卒業生の男性(28)が3月26日、元同級生と福崎町を相手取り、計約1億9600万円の損害賠償を求めて神戸地裁姫路支部に民事提訴した。

事件概要

 男性は16年前の2002年4月、福崎町立中学校に入学した。入学直後から卒業までの3年間にわたり、同級生だった男子生徒から、殴る・蹴る・執拗に追いかけ回される・プールに沈められる・持ち物を捨てられるなどのいじめを執拗に受け続けた。骨折したこともあったという。

 学校側はいじめを目撃しても、加害生徒に軽く注意するだけで放置したという。

 男性が3年生だった2004年秋には、教諭は男性に対して別室学習を指示した。学校側は男性の母親に対して「おたくのお子さんが問題を起こしている」などと発言したともいう。

 男性は2005年3月に中学校を卒業し、加害者とは別の高校に進学した。しかし卒業後もいじめ・嫌がらせが続き、体調を崩して高校の長期間の休学や大学中退などに追い込まれたという。2014年にはPTSDと診断された。

 原告側は、「いじめによって就労できないほどの体調悪化に追い込まれた」「学校は加害者を擁護した。3年時の別室学習では、不当に隔離されて学習権を侵害された」などと訴えている。

 このケースは、いじめから年月がたっても、心身への影響は計りしれないという例の一つとなっている。被害者は健康を害し、後遺症が残り、人並みの社会生活を送ることすらままならない状態に追い込まれている。一方で加害者には事実上何のおとがめもない上、周りも実質的には加害者に同調しているといわれても仕方がないような形にもなっている。極めて理不尽なことではないか。

 裁判を通して、被害者が受けた被害が少しでも救済されることを願うものである。

(参考)
◎PTSD 中学時代の暴行で、28歳が賠償提訴 兵庫(毎日新聞 2018/3/26)
◎中学時代にいじめ、被害者と親が町など提訴 福崎(神戸新聞 2018/3/26)