池田佳隆衆院議員、文科省から名古屋市教委へのメールを添削と指摘:前川氏授業問題

 名古屋市立中学校で授業の一環として前川喜平・前文部科学事務次官の講演がおこなわれたことについて、文部科学省から圧力とも取れる「問い合わせ」があった問題。

 この問題については、文科省から名古屋市教委への問い合わせの前に、「自民党文教族の国会議員」から文科省にこの件に関する照会があったと報道されていた。

照会をおこなった議員の氏名は?

 毎日新聞2018年3月20日付によると、文科省に照会をおこなったのは、名古屋市が地盤で自民党文科部会長代理の池田佳隆衆議院議員(比例東海ブロック)と、自民党文科部会長の赤池誠章参議院議員(比例代表)だと指摘されている。

 池田氏は日本青年会議所幹部を歴任している。議員就任前の2006年6月には、衆議院教育基本法特別委員会の参考人として、「自虐史観」批判の立場から意見陳述した。当時内閣官房長官だった安倍晋三氏と2006年7月に面会したことをきっかけに政治家を志し、「安倍の愛弟子」を自認するとされている。2012年に初当選した。

 また赤池氏は、松下政経塾を経て学校法人日本航空学園(山梨県)に勤務し、同学園の学校長や山梨県専修学校各種学校協会会長を歴任している。

メールの添削も

 池田氏は、複数回にわたって文科省初等中等局に電話して事実内容の確認を求め、文科省から名古屋市教委に出したメールの文面の添削をおこなったという。

 また赤池氏も池田氏とは別に、文科省に照会をおこなっている。

 別の報道では、文科省関係者の話として、メールの文面は「官僚が書いた文面とは思えない」という感想があったという。また前川氏は3月19日、「文部科学省がこのようなことを自ら行うとは考えられないため外部から何らかの強い政治的な働きかけがあったのだと思います」などとするコメントを出している。

 文科省関係者が抱いた違和感や、前川氏の推測は、当たっていたということになる。

露骨な政治介入

 個別の学校の授業内容について、文科省が詳細を問い合わせること自体が、極めて異例のことである。

 しかも、政治家の働きかけということにとどまらず、文部科学省が市教委に対しておこなった問い合わせ内容を政治家が添削しているというなど、露骨な政治介入ではないか。

 安倍内閣のもとでは、教育をめぐる不適切な問題が続発している。

 森友学園の問題にしても、国政としての主な論点は国有地の不適切な取引であるが、背後には大阪府の学校設置認可問題があり、さらには教育勅語肯定・容認などの方針が安倍首相サイドと維新・大阪府をつないだことが指摘されている。

 他にも加計学園問題、教科書問題、18歳選挙権をめぐって主権者教育を骨抜きにしようとする問題、国立大学の入学式や卒業式に「日の丸掲揚・君が代斉唱」を要請するなど大学運営への介入など、安倍内閣のもとでは教育関係の問題が多い。

 今回の政治介入の問題も、大元をたどれば、教育介入をしても意に介さないという風潮が背景にあるのではないか。

(参考)
◎前川氏授業 市教委への質問、添削も 自民文科部会の幹部(毎日新聞 2018/3/20)