松井一郎大阪府知事会見:森友学園文書改ざん問題発覚後初めて府庁に登庁

 松井一郎大阪府知事は3月14日夕方、森友学園問題で財務省の文書改ざん問題が発覚して以降初めて大阪府庁に登庁し、登庁記者会見に臨んだ。

 松井知事は文書改ざん問題について、財務省の責任だとした上で、「大阪府ではこのような文書改ざんはありえない」などと他人事のような対応に終始した。

 大阪府の対応については、大阪府の学校設置認可答申の過程や、大阪府私学課と近畿財務局とのやりとりについてはすべて議会でオープンにしているなどと主張し、改めて調査することは考えていないと自己正当化に終始した。

 記者からは「森友学園問題は、当時の橋下徹大阪府知事の、森友学園に学校参入の道を開いた規制緩和の方針から始まった」として、大阪府の責任を問う質問も出た。

 松井知事はその質問が出たときの答弁では語気を強め、「責任はありません」「責任って何ですか」「規制緩和は必要だった」などと発言した。

維新の言い訳

 松井知事は、3月12日午前に文書改ざん問題が報じられて以降約2日間にわたり、沈黙を貫いてきた。3月12日・13日ともに府庁には登庁せず、公の場には姿を見せていなかった。当初は3月13日に登庁予定だったが、急遽キャンセルしている。ツイッターなどでも発言を一切していなかった。

 しかしその間、橋下徹前大阪府知事・元維新代表、東徹・維新参議院議員、馬場伸幸維新幹事長・衆議院議員などが、維新の責任をごまかすような形での情報発信を繰り返してきた。

 維新代表でもある松井知事の今回の主張は、橋下などがおこなった主張の延長線上にある。松井知事の主張は、ある程度予想されていた方向性ではある。

疑惑は解明されていない

 財務省での文書改ざんに関わる疑惑については、国政の問題として国政の場で真相解明がなされるのは、当然求められていることである。

 しかしその一方で、2015年1月の大阪府私学審議会の審査当時、学園側は校地を確保していない状態で、校地自己所有の原則に反する状況だった。それにもかかわらず、大阪府私学課の事務方主導で「学園側は国有地を取得する相当程度の確実性がある」「認可適当答申を前提にして土地交渉は動き出す」として、学校設置認可適当の答申をおこなった。このことが、財務省の不適切な土地取引や文書改ざんにつながるすべての発端となっている。

 国政での対応の陰には、大阪府政での疑惑があるということになる。国政と大阪府政の両面のルートで、疑惑を解明していく必要がある。

百条委員会設置も必要

 松井知事は、大阪府側の対応については「オープンにしている」などと強弁している。

 しかし客観的な状況は、肝心なところを隠しているのではないかと思わざるをえない。

 森友学園は2012年に大阪府私学課(当時は府民文化部私学・大学課)に学校設置の意向を伝えて、担当者との間で必要な手続きや書類などの実務面の調整や打ち合わせを重ねたのち、2014年10月末に正式に学校設置認可申請を出している。直前の2014年10月には、通常は1~2ヶ月に1回程度の知事と私学課との打ち合わせ回数が、毎日のように、日によっては1日2回おこなわれるなど異常に激増している。この間の知事と私学課とのやりとりは明らかになっていない。

 また森友学園の設置認可の過程、財務省文書の改ざんされた部分に記載されている内容と、大阪府の対応との間に整合性がとれないという指摘もされている。

森友学園問題:文書改ざん問題発覚後初めて大阪府議会委員会でも質疑
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 これらの内容を考えると、大阪府として「必要な情報をオープンにしている」どころか、情報をほぼ隠蔽しているといってもいいのではないか。

 大阪府としても、関係する文書・資料の全面開示と、百条委員会の設置など、情報公開と真相究明を徹底すべき案件である。

 百条委員会については、大阪府議会で一度提案されたものの、維新と公明の反対で否決された経緯がある。再提案も検討すべきではないか。