森友学園問題で「決裁文書改ざん」疑惑

 森友学園問題で、国有地取引に関する財務省の決裁文書を、財務省があとから改ざんした疑いが指摘されている。

 文書改ざんがあれば重大な問題であり、しかるべき対応が求められる。

 同時に一連の森友学園問題は、学園側の不適切な教育方針・大阪府の対応・国の対応が複合して起きた問題であり、国と同時に大阪府の対応も問われなければならない。

一連の経過

 籠池泰典氏が学校法人森友学園の経営を引き継いだ1995年以降、同学園が運営する塚本幼稚園(大阪市淀川区)や、系列法人として運営していた南港さくら幼稚園(大阪市住之江区、「開成幼稚園幼児教育学園」に改称したのち休園)では、「教育勅語」暗唱など極右的・軍国主義的な教育方針を取り入れるようになった。

 籠池氏は、第一次安倍政権のもとで成立した改悪教育基本法(2006年末)を受け、2007年頃から「愛国心」養成などを軸とした小学校の設置構想に着手した。

 そういう教育方針と一致したのが、大阪府政では大阪維新の会の政治家や、国政での安倍晋三首相に近い政治家である。森友学園と国政・大阪府政の政治家は、日本教育再生機構・日本会議の軸でつながることになる。

 塚本幼稚園では、極右的とみられる政治家や言論人などの教育講演会なども実施していた。

 籠池氏は2011年夏頃、小学校設置認可の規制緩和を求めて大阪府に陳情した。当時の大阪府知事は橋下徹。そして2011年11月、大阪市長に転出した橋下の後を受けて松井一郎知事が就任したのち、2012年4月より籠池氏側の要望を受けた形での規制緩和がおこなわれた。

 2012年2月26日、大阪市内で「日本教育再生機構・大阪」が開催した教育再生シンポジウム。パネリストには、当時1期目の首相を退任して一衆議院議員となっていた安倍晋三氏と、松井一郎大阪府知事が並んだ。さらに司会は、維新の遠藤敬衆議院議員が務めた。

 籠池氏は大阪府の担当者に小学校新設具体化の意向を伝え、必要な手続きなどについて担当者との打ち合わせを経て、2014年秋に正式に小学校の新設認可申請を出した。

 私立学校の設置・改廃などを審議する大阪府知事の諮問機関「大阪府私学審議会」では、教育方針のみならず、学校経営の財政面でも不安、学校予定地の土地はその時点では国との交渉中で正式には取得していないので条件を満たさないなどの指摘が出た。しかし事務局の大阪府私学課主導で、条件付き認可適当の答申が出されることになった。

 学校予定地の土地は、大阪府の設置認可答申の動きと連動する形で、国と学園側との取得交渉が進められることになった。売買交渉の際、森友学園側が提示した価格にあわせるため、ゴミなどの理由をつけて値引きしたのではないかとされている。

 また、新設予定だった「瑞穂の國記念小學院」の名誉校長には、安倍首相夫人・安倍昭恵氏が就任していた。昭恵氏は、小学校設置に関する塚本幼稚園での講演で、「教育方針に共鳴した」「主人(安倍首相)も(籠池氏に)会ったことがあります」などと話していたという。

文書改ざん疑惑問題

 文書改ざん疑惑についても、この一連の流れの中で生じたことになる。

 一連の森友学園事件発覚後、不明朗な土地取引についても指摘され、国に対して関連文書の開示などを求める動きが生まれた。

 財務省などは国会で、学園側との価格取引などはなかったとする答弁をおこなった。

 しかし、開示された文書では、当初の決裁文書とは異なる内容があったということである。当初の決裁文書では、学園側の要請や特例的な取引によることを示唆する内容があったが、それが削られたり改められたりしているという。

大阪府側の不審な動き

 文書改ざん疑惑が発覚して以降、橋下徹がしたり顔で、文書改ざん疑惑に関するツイートを、ツイッターに複数投下している。

 まるで他人事のように官庁や与野党の動きを論評しているが、そもそも一連の問題のきっかけを作った一人が橋下徹だったということを忘れてはいけない。

 本来ならば財政的にも小学校経営は困難だった籠池氏らが、小学校開校一歩手前にまでこぎ着けられたのも、元は橋下徹知事の下での大阪府が、籠池氏の意向に沿う形で、「規制緩和」と称して籠池氏が参入できるように門戸を開いた形になっている。そして強引ともいえる小学校設置認可「条件付き適当」答申と、答申と連動した形での国有地取引問題へとつながっている。

 国有地取引の問題は直接的には学園側と国との問題ではあるが、大阪府・維新府政の存在がなければ起こりえなかったことでもある。大阪府や維新は無関係というわけではない。

 国政でのしかるべき事実解明とともに、大阪府の動きについても同時に問われなければならない。