「給食ハラスメント」:教師の過剰な給食指導の問題

2018年5月21日

 BLOGOS2017年12月16日付に『完食を強要する「給食ハラスメント」の相談が急増 教師の過剰指導が原因で不登校になるケースも』の記事が掲載されている。

 同記事によると、学校で教師が給食の完食を強要しようとする行為など、給食に関する「行き過ぎた指導」があり、「給食ハラスメント」と呼ぶ動きが広がっているという。

 「給食ハラスメント」によって、悪化すれば「会食恐怖症」につながる可能性があると指摘している。「給食ハラスメント」の相談に取り組む団体では、「人前で食べるのがつらいから午前だけの定時制高校にしか進学できなかった」という相談を受けたことがあることも紹介している。

 給食指導に関して「給食ハラスメント」に相当するような事例は、過去にもいくつか新聞報道されている。

  • 2005年8月 鳥取県の小学校で約7年間にわたり、不適切な給食指導をおこなってきたとして、鳥取県弁護士会は小学校教諭に対して人権侵犯の警告書を送付。
  • 2017年5月 富山県小矢部市の小学校で2017年1月、担任教諭が給食完食を強いたことで、児童を嘔吐させていたことが報じられる。
  • 2017年6月 福島県鏡石町の小学校で2015年、産休代替の臨時講師が担任クラスの低学年児童に対し、給食指導の際、カビの生えたパンや古くなった牛乳などを児童に食べさせる行為を繰り返していたと報じられる。
  • 2017年9月 岐阜県の小学校教師が2017年4月~9月にかけ、給食完食を強いるなどの指導を常習的におこない、児童5人を嘔吐させていたと報じられる。

 これらは「体罰」事件や虐待事件にも相当する。極めて重大な人権問題にもあたる。

 また、東京都調布市立小学校では2012年12月、乳製品アレルギーを持つ児童が、誤ってアレルゲンを含むメニューを口にしてアナフィラキシーショックを発症して死亡する事故があった。
 この事故の直接的な原因は「給食ハラスメント」に相当する行為ではなく、児童がおかわりを希望した際に、アレルゲンを含む食品だったことを見落として教師がそのまま渡し、児童が口にしたことで起きている。一方で「クラスの残食をゼロ」にする普段からの給食指導が背景にあり、当日のメニューは児童に不人気だったために「完食目標に貢献したい」としてこの児童がおかわりに手を挙げたことが、事故の遠因として指摘されている。

 給食指導によって、不登校や心身症状の発症などの健康被害などを引き起こすなど、あってはならない。不適切な給食指導については是正していかなければならない。